古き良き建築

2022, 家具

© Naoki Fujioka
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私はこのテーブルを意味を持たないものにしたかった。木の板にステンレスの枠がささっていてそれが倒れないように、ワイヤーケーブルが引っ張っている。その上に透明なガラスの板がただ乗っている。凝った接続部などは無く、見えるべきものが見えていて、見える必要の無いものは見えていない。構造形式は少し変わっているが新しい発見ではないし発明でもない。物質性だけで形作られた家具であり、人がこれに意味を見いだすことは難しいと期待している。そしてモノの帯びる意味性への反抗などという考えはもはやありふれていて、それ自体意味のないことと捉えられていて欲しい。
私はこのテーブルを美しいと思うが、特にそうでもないと思う人もいるだろう。少なくとも日用品においては、意味にまみれた極上の美しさよりも無意味なものの持つかすかな煌めきを、私は求めている。自分に与えられた材料をどう組み立てるかを心躍らせながら試行錯誤しているときに、自分だけの道具を使ってモノの輝きを偶然見つけた時の気持ちの高ぶりを求めており、それを共有したいと考えている。